「哀しくとも」生きのびた先に待っていたのは…「光る君へ」史実を基に12月8日放送回を振り返り (3/7ページ)
公卿らは無能で冷淡?
在地の武者たちと力を合わせ、見事に刀伊の賊徒を撃退した隆家。
しかし朝廷では彼らに対して冷淡であり、藤原行成(渡辺大知)や藤原公任(町田啓太)らは、勅命なく(命を受ける前に)行った私戦を賞するべきではないと主張しました。
それを聞いた実資は「命がけで戦った者をないがしろにしては、今後また何かあった時、戦ってくれる者がいなくなる」と主張します。
結局のところ実資の主張は通らず、鎮西の武者たちに満足な恩賞は与えられませんでした。
ここだけ見ると、公卿たちは国家の脅威に対する危機意識が低く、かつ冷淡な印象を受けかねません。
しかし心情的にはともかく、朝廷の判断として見れば、行成や公任らの判断は妥当と言えるでしょう。
もし勅命なく戦を行い、その評価や恩賞を朝廷が追認するシステムを確立してしまうと、武者たちは日本各地で私利私欲の戦を繰り広げかねません。
あくまで朝廷は秩序(ここでは朝野の序列や力関係)を重んじ、武力をもって世を治めることを是とはしませんでした。
しかし理想と現実は異なり、やがて世の主導権は貴族から武士たちへと移り変わっていきます。