大河『べらぼう』鳥山検校と五代目瀬川(小芝風花)の悲惨なその後…咲くも散りゆく4本の徒花【後編】 (6/7ページ)
源内が松葉屋の女将に「『瀬川』はいないのかい」と尋ね「もういない」と断られる姿を見て、花の井は「源内が会いたいのは瀬川花魁ではなく、この世を去った源内の恋人で女形役者・瀬川菊之丞のこと」と察します。
そこで、瀬川菊之丞に扮して源内の座敷に突然乱入する花の井。
「今宵一晩は自分のことを瀬川菊之丞と思ってくれ」といいます。「引け四つ(※)までのたかが戯れ。咎める者もおりますまい」という花の井。
※新吉原で、遊女が張り見世から引き揚げる時刻
そんな花の井の粋なはからいに、源内は舞を所望します。男色家の源内は、女性の花の井を抱くことはありません。花魁の美しい舞を眺めながら、ありし日の恋人瀬川菊之丞(三代目・花柳寿楽)の舞いの稽古姿を思い出し涙ぐむ源内。舞を通じて、過去と現在がシンクロする美しく切なくシーンでした。
源内に蔦重との仲を尋ねられ、「重三が誰かに惚れるなんてござんすのかねえ。
どの子も可愛いや、誰にも惚れぬ。あれはそういう男でありんすよ」と答える花の井。
源内は瀬川の報われない切ない恋心を察したのでした。
亡くなった恋人を恋しく思う気持ちを汲み取り、男装して舞ったくれた花の井への感謝の気持ちだったのでしょう。源内は、蔦重に懇願されていた「序文」を紙に書き知るし、妓楼を去っていったのでした。