大河『べらぼう』二度目の「おさらばえ」…瀬川(小芝風花)と鳥山検校(市原隼人)惚れた相手のため身を引く二人の愛【前編】 (6/7ページ)
(「べらぼう」も「仁」も、同じ脚本家・森下佳子氏です)。
この出来事から、瀬川は「巡る因果は『恨み』ではなく『恩』がいい」「自分が作る本は、『恩が恩を生んでいく』そんなめでたい話がいい」と考えるのでした。
筆者が想像したのは、瀬川にとっての蔦重、鳥山検校にとっての瀬川のように、辛い暗闇の中で生きているような日々でも、たった一人自分に「光」を与えてくれる存在がいれば、心の支えとなるというような物語。
もしくは、幼い瀬川が初めて蔦重にもらい何度も何度も読み返した『塩売文太物語』のように、いろいろな出来事を乗り越えて最後は大好きな人と一緒になるという「夢」を与えてくれる物語。
辛い時にふと扉を開いて読むと、いい思い出とともにふと心を和ませてくれる、口元に笑みが浮かぶ、そんな本が瀬川に相応しいのではと思いました。
「本屋ってなぁ随分と人にツキを与えられる商いだ」
13話で蔦重に対して言った平賀源内(安田顕)の言葉が蘇ります。
「本ってなあ、人を笑わせたり泣かせたりできるじゃねえか。そんな本に出会えたら人は思うさ。『ああ、今日はツイてた』って。