大河『べらぼう』二度目の「おさらばえ」…瀬川(小芝風花)と鳥山検校(市原隼人)惚れた相手のため身を引く二人の愛【前編】 (5/7ページ)
江戸っ子らしい会話が弾む蔦重と瀬川のイメージ(ac-illust)
笑いながら話す姿は、微笑ましく幸せな場面ではありましたが、その二人をじっと見詰める遊女・松崎(新井美羽)が不穏な気配を漂わせていました。
彼女は、旗本の娘ながらも破産し、松葉屋に売られてきた武家の娘・さえで、座頭金(盲人が幕府の監督をうけて貸し付けた庶民金融)に激しい恨みを持っていたのでした。
大切な相手の「夢」を叶えるため自ら身を引く高利貸しのおかげで家は潰れ、自分は遊女になった挙句、避妊に失敗して妊娠、中絶手術をするも体を壊す……悲劇の連続だった彼女にとっては、高利貸し・鳥山検校に身請けされた瀬川が憎くてたまらないのでしょう。
自分を看病してくれる瀬川を刃で襲い傷付け、松葉屋の女将いね(水野美記)に水を浴びせかけらえ折檻されるも開き直ります。瀬川に「父上と母上は金に詰まって自害した。お前の夫のせいじゃ」と恨みをぶつけますが、瀬川も黙っていません。
「それを言うなら、自分もお武家様の決めた年貢を両親が払えずに吉原に身を売られた。けれど、憎しみを連鎖させても仕方ないじゃないか」と、声を穏やかに言います。
余談になりますが、この瀬川の言葉は、ドラマ『JIN-仁-』で、仁先生が坂本龍馬に対して言った「暴力は暴力しか生まないんです!」というセリフを思い出しました。