カリスマか逆賊か?気弱な貴公子か?令和の文芸作品にみられる将軍・足利尊氏の新しいイメージ (4/4ページ)
先述の『極楽征夷大将軍』で尊氏は「やる気なし使命感なし執着なし」と描かれていますが、史料からも、功名心や野心の薄い気弱な貴公子だったという実像が読み取れます。
そんな尊氏の名誉回復は、戦後の歴史研究もさることながら、作家の吉川英治が1950年代後半から発表した『私本太平記』の影響が大きかったといわれています。
尊氏の人物像を肯定的に捉えたこの作品は、NHKの大河ドラマ『太平記』となり、多くの視聴者を引きつけました。今後は『極楽征夷大将軍』によって、新たな尊氏像が広まるかも知れません。
参考資料:
中央公論新社『歴史と人物20-再発見!日本史最新研究が明かす「意外な真実」』宝島社(2024/10/7)
画像:photoAC,Wikipedia
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