「べらぼう」なぜ田沼意次(渡辺謙)は徹底排除されたのか!?鍵は徳川家康の政治理念だった!【中編】 (4/6ページ)
儒教の教えでは、国の根幹は農業にあり、商業や工業は農業に比べて価値が低いという考え方が根底にあったのです。
このような朱子学の影響は江戸時代を通じて確実に浸透し、農業を重んじる「重農主義」こそが優れた為政者のなすべき政治であるとされました。一方で、卑しいとされた商業を重視する「重商主義」を政治の中心に据える為政者は、武士の風上にも置けぬ者と見なされたのです。
儒教、特に朱子学は、江戸幕府の歴代将軍や為政者たちにより、神君と仰がれた家康が導入した「尊い教え」として重んじられました。したがって、この教えに背くことは、少なくとも徳川家に縁ある者にとって、許されるべき行為ではなかったのです。
重農・重商の二つをバランスよく取り入れた家康さて、読者の皆さんはすでにお気づきでしょう。田沼意次の政治の根本にあったのは、朱子学において卑しいものとされた商業を重視する「重商主義」だったのです。