大河『べらぼう』誰袖に戻った笑顔「筆より重いものは持たねえ」名プロデューサー・蔦重の見事な仇討【前編】 (6/11ページ)

Japaaan

着物の柄やかんざしなど書き込みが繊細。北尾政演 『吉原傾城新美人合自筆鏡』 天明4年(1784)刊

「同情したくなる苦労人」から「バカ旦那」にキャラ変を

今回の話の主人公になる「手拭いの男」を見て、「その絵ちょいと佐野様に似ていますよね」という鶴屋が言います。

蔦重は、“佐野は生真面目で大所帯を抱え、ぼけた父親の介護もする苦労人”だったことを知り、「苦労人を主人公にしては読者は笑えない」と気がつき、二代目金々先生は、佐野とは真逆の生い立ちで、「家の名をあげるよりも、女と浮き名を流すことに命をかけるお金持ちのバカな若旦那」という設定にします。

そうして鰻屋でクリエーターたちと再度作戦会議。「主人公を佐野とは真逆の人物設定にする」ことを持ちかけます。

「鰻の背開きを腹開きにするようなものだな」と恋町。どんどん想像が膨らみ、皆からおかしなネタが飛び交います。最初は仕事を一度断ってしまったので、バツの悪そうな顔していた北尾政演も、もうワクワクが止まらない表情になり、アイデアを出してきます。

「俺ゃめっぽう書きてえです!」と、すっかりやる気と自信を取り戻した政演。そして、「俺 とんでもなく読みてえ」と、キラキラと目を輝かせて政演を煽る蔦重。

さすが、お江戸のメディア王。政演が自信を取り戻してやる気にさせるには、ちょっとネタを振って「政演自らアイデアをだす」ことだと思ったのでしょう。ほんとに天性の人たらしだなと思うシーンでした。

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