【べらぼう】で言及された芝全交(亀田佳明)の黄表紙『大悲千禄本』とはどんな物語なのか? (3/6ページ)
お知らせを出すと、猫の手でも借りたい連中が千手観音の手を借りようと集まってきます。
その顔ぶれが、こんなところ。
一の谷の合戦で右腕を斬られた薩摩守・平忠度(たいらの ただのり)。 渡辺綱に片腕を斬られた鬼の茨木童子(いばらきどうじ)。 人形芝居で手をつけてもらえない端役人形。 手のない(接客が下手な)女郎。 てんぼう政宗(まさむね。正宗) 字の書けない男。 三味線弾きの手習い……等々。中には「足の余りがあったら貸して下さい」なんて者もいました。あいにく千手観音も、足は二本しかないので貸し出せません。
第三章「借りた手の使い方」
芝全交『大悲千禄本』より、借りた手に毛を植えたい茨木童子(右)と、右手に左手をつけてしまった平忠度(左)。
さぁ、千手観音の手を借りた皆さんは、ちゃんと活用できているのでしょうか……。
茨木童子は「こんなスベスベの手じゃあ格好がつかない」と、人形師に頼んで鹿の毛を植えてもらいました。
平忠度は間違えて左手を借りてしまい、せっかく歌を詠んでも文字が反転してしまいます。