『べらぼう』”禁句”をぶつけた蔦重の戯けにプライド高き松平定信が大激怒!互いの胸中を考察【前編】 (3/6ページ)
(詮議の場に登場した定信からは、「よっしゃあ〜!」という心の声が聞こえたような気が……)
『手段詰物/娼妓絹籭』 出典: 国書データベース,https://doi.org/10.20730/100016171
自信満々の定信に“反骨の炎”を燃やす蔦重御三卿の家に生まれ、生活において苦労知らずの定信は、蔦重が本で吉原に客を呼び込み、「困窮する女郎や楼主たちを助ける」という思いを持っていることなど想像できるわけはありません。
「遊ぶ場所を無くせ!」と岡場所を廃止したせいで、生活に困窮した女郎が吉原に押し寄せこのままでは地獄になってしまう……と妓楼主たちも困り果てているのですが、そんなことは想像すらできないでしょう。
蔦重の本を “好色本”としか捉えない定信は、これは教訓本だと主張する蔦重に、「好色本か教訓本か決めるのはうぬではなく私だ。かようなものは二度と出さぬと誓え!」と命じるのですが……。
民の苦労を知らない・居丈高・上目線の定信の申し渡しに、「おっしゃる通りでございます!へへぇえ」と、平身低頭するような蔦重ではありません。期待通り、そんな定信に対し、蔦重の“反骨の炎”が燃え上がりました。
一瞬、考え込むような表情を見せたものの、「ふんどしに頭を下げるなどとんでもねえ。今ここで反発をやめたら亡くなった人々に申し訳ないし吉原も救えない。」と思ったのでしょう。