『べらぼう』”禁句”をぶつけた蔦重の戯けにプライド高き松平定信が大激怒!互いの胸中を考察【前編】 (4/6ページ)
定信を見据え、急に、「越中守様は、透き通った美しい川と濁った川、魚はどちらを好んで住むと思われますか?」と尋ねます。とうとう、来ましたね。かの有名なアレです。間違いなく定信が激怒する、あの有名な歌です。
「魚の話などしておらん!」という定信に、「まあ、左様なことはおっしゃらず。“雲の上のお方”とお会い出来るなんて、めったねぇわけで…」と返します。蔦重の「調子のよさ」にエンジンがかかってきたのがわかりました。「ふん」と小馬鹿にする定信でしたが、“雲の上のお方”に、ちょっと気をよくしたような感じがしました。
定信は、「濁りのある水のほうが、餌も豊か、敵からも身を隠しやすい。住みやすかろう」と答えます。まんまと、蔦重の術中にハマっていくのが面白かったですね。
その答えに、蔦重は「私は……人も魚とそう変わらねぇと思うんでさ」と切り出しました。ハラハラしつつも、この後どうやって定信を言い負かすのか、ワクワクする展開となりました。
“白河の水の清きに魚住みかねて元の濁りの田沼恋しき”が登場
「人ってな、どうも濁りを求めるところがありまして。上手い飯が食え、面白ぇ遊びが出来て、怠けてても怒られない、そんなところに行きたがるのが人情だ」と説く蔦重。
定信は「そんなことは百も承知」と言い返します。自身が提唱する「論語の精神」では、“人間は欲深く誘惑に弱いもの。