”息”で毒を見抜く!?戦国時代、武将たちは料理に盛られた毒をどのように見抜いていた? (2/3ページ)
次に汁物があやしいと感じた時は、箸で米粒を少しつまみ、汁の中にひたしてから自分の爪に乗せてみるとよい。米粒がすぐに乾いたら毒入り、湿ったままなら安全である。
また配膳者の顔色を見るのも一つの方法だ。自分の料理が毒入りと知っている配膳者は、眼が涙でうるんでいることがある。そのような場合は、その料理に毒が入っていることを覚悟せねばならない。配膳者が毒の有無を知っているか否かは、その眼を見れば判るだろう。
……ということでした。
ところで、なぜ息を吹きかけると黄色くなったり、米粒が濡れなくなったりするのでしょうか。
戦国時代に毒として用いられていたものについて、これら現象との因果関係の調査を進めていきました。
戦国時代に使われた毒物
昔から毒として使われてきた物質には、これらのものが挙げられます。
烏頭(うず):トリカブト。毒性はアコニチン。附子(ぶす/ぶし)とも呼ばれる。 鴆毒(ちん):鴆という伝説上の鳥から採取した羽を酒に浸した毒。毒性は不明。 冶葛(やかつ):つる性常緑低木で、毒性はアルカロイド。 土斑猫(ツチハンミョウ)という昆虫からとった黄色い体液。毒性はカンタリジン。このうち鴆毒については伝説上の存在とされる一方、『周礼』に記された亜ヒ酸(三酸化二ヒ素)ではないかとも言われています。
鴆毒で死んだ者は黄疸と似た症状(※)で、身体が黄色く変わるとされ、これが呼気に反応する原因なのかも知れません。
(※)そのため、黄疸で亡くなったとされる足利直義(尊氏の弟)などは、毒殺が疑われています。
ただし明確な証拠はなく、また米粒が濡れないようになるという現象についても、明確な答えは出ていないようです。