『べらぼう』胸熱な「そうきたか!」源内生存説で笑顔が戻った蔦重夫婦に対し、闇堕ちの歌麿…【前編】 (2/8ページ)
“おっかさん”が教えてくれる「生きることは食べること」
流産後、食べる気力を失いやつれていくてい(橋本愛)。そんな時、耕書堂に蔦重のもう一人の“おっかさん”・ふじ(飯島直子)らが、いろいろなお菓子を詰め合わせた箱を持参して訪れました。
小さなお菓子箱を「子供はお菓子が好きだから」と仏前にお供えしてから、余計なことは言わず、大きなお菓子箱を開き、「さ、みんなで食べよ」という自然に誘います。ていさんも、小声で「私も…」と言います。「ん。」と微笑み、紙の上に菓子を置き差し出すふじ。
今までの中で、一番優しくて全てを包み込むような、“おっかさん”の「ん。」
その「ん。」と口の中に広がる甘さで、涙ながらに菓子を噛みしめるていの気張っていた心がほどけていくのが伝わってきました。泣けてよかった、食べられてよかったと、観ている方が救われた気持ちになりました。
今でこそ、甘いものは脳にとって即効性のあるご褒美といわれていますが、この当時は科学的な証明などなかったでしょう。ふじさん、妓楼でよくお菓子を食べていましたね。務める女郎たちの悲しい・切ない・理不尽な出来事をたくさん現場で見てきたふじだからこそ、甘いものが心を慰め癒してくれると体感して知っていたのでしょう。