“真の被害者”とは?誤解だらけな「ノルマントン号事件」日本とイギリスの間で翻弄された悲劇の船長【後編】 (2/4ページ)

Japaaan

当時の初代外務大臣・井上馨(Wikipediaより)

そしてその判決の軽さに、世論は改めて大騒ぎになったのです。

法律に明るい人なら分かると思いますが、この経緯で政府が個人を殺人罪で司法に働きかけるというのはかなりの無理筋です。法治国家として正しい措置だったのかは疑問が残ります。

風刺画は無関係

そして最後に、ノルマントン号事件と聞いて、先述のビゴーの風刺画を思い出さない人はいないでしょう。言い方を変えれば、それ以外にはノルマントン号に関するイメージ像はないと言ってもいいかも知れません。

しかし先に書いた通り、ドレーク船長はあの漫画に描かれているように、救命ボートで自分だけが悠々と脱出して溺れている日本人を見捨てたわけではありません。

その点だけを見ても、あの漫画は事実を描いたものではないと分かりますが、そもそもあの漫画はノルマントン号事件を描いたものではありません。

あの絵の題名は『メンザレ号の救助』といい、ノルマントン号事件が起きた翌年に上海沖で実際に起こったメンザレ号という船舶の遭難事件を描いた風刺画です。

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