幕末の決定的瞬間を描いた『大政奉還図』実は矛盾だらけ!あの有名絵画に潜む奇妙な違和感 (2/4ページ)
徳川最後の将軍である慶喜が上段に座り、その前にずらりと並んだ大名たちへ向けて、政権を朝廷に返上するという重大な決意を告げている(ように見える)、あの有名な絵画です。
しかし、実はこの絵が描いている内容は、歴史的な事実とは大きく異なっていることをご存じでしょうか。
まず基本的な事実として「大政奉還」という行為そのものは、将軍が天皇に対して政権を返す手続きを指します。
したがって、その儀式が行われる場所は当然ながら天皇のお住まいである御所になります。
絵の舞台となっているのは二条城ですが、ここではあくまでその準備段階の会議が行われたにすぎません。
つまり、あの絵は「大政奉還を行っている瞬間」ではないのです。
では、あの絵はいったい何を描いているのでしょうか。
さまざまな矛盾点一般的には、あの絵は「慶喜が諸大名を集めて大政奉還の意思を宣言している場面」だと解釈されています。
しかし、この解釈にも多くの矛盾が潜んでいます。絵の中に描かれた部屋の様子を細かく見てみましょう。
障壁画には桜が描かれ、奥には違い棚が見えます。この特徴から、この部屋は二条城の黒書院であると推定されます。壁の絵は狩野尚信による『桜花雉子図』の特徴と一致するからです。