語源が切なすぎる…湯たんぽの漢字はなぜ「湯湯婆」と書く?由来と歴史をたどる (1/3ページ)
お湯を入れて暖をとる湯たんぽ。冬の風物詩として私たちの生活に溶け込んでいますが、皆さんは使っていますか?
この湯たんぽ、漢字では「湯湯婆」と書きます。なぜこのようになったのでしょうか。その由来を調べてみると、実に切ない情景が浮かんできました。
「お湯の妻」を抱きしめて暖をとる
湯たんぽの期限は中国大陸の唐王朝時代(7世紀初頭~10世紀初頭)と考えられており、元は「湯婆(タンポー)」や「湯婆子(タンポーズ)」などと呼ばれています。
湯は文字通りお湯のこと。婆は現代日本の私たちがイメージする老女ではなく、妻を意味する言葉です(現代中国語でも老婆で妻を指します)。また、ここでの子は単なる接尾語で、あってもなくても意味は変わりません。
つまり湯婆とは「お湯の妻」もっと直截に言えば「お湯を入れて妻代わりに暖をとるもの」という意味になります。
身体を温め合う家族がいない独り身の男性が、布団の中で背中を丸めながら湯たんぽを抱きしめる……そんな情景が目に浮かぶようで、切なさが止まりません。
室町時代から始まった日本の湯たんぽ史そんな湯たんぽが日本に伝来したのは室町時代。文献上の初出は文明16年(1484年)に出版された国語辞典『温故知新書』や、同年から始まる日記『蔗軒日録(しゃけんにちろく)』に記されています。
日本に現存する最古の湯たんぽは岐阜県多治見市で出土した「黄瀬戸織部流し湯婆(きぜとおりべながしたんぽ)」。