【第7回宇宙開発利用大賞】経済産業大臣賞を受賞〜震災から15年、被災地から宇宙へ。福島発、官民連携による宇宙産業集積の取り組み~ (2/3ページ)
宇宙産業が抱える「実証場所不足」という課題と地域の再生を結びつけ、「福島スペースカンファレンス」を基盤とした対話と信頼を通じて、以下の成果を生み出しています。
■ 主な成果
1. 伝承
宇宙産業の視察や実証実験を目的に、国内外から多くの方がこの地を訪れています。「なぜ福島に宇宙産業が集積しているのか」という背景を知る過程で、来訪者は必然的に、ここが津波被災地であり、多くの暮らしが失われた場所であることを知ります。語り部や地域の伝承に取り組む皆さまとともに、震災の記憶を風化させず、新たな形で後世に語り継いで参ります。
2.産業集積
2023年以降、この地の可能性に共感した宇宙スタートアップ8社が拠点を構え、4つの研究開発拠点が新設されました。2025年には三菱倉庫による国内最大級の宇宙特化型インキュベーション施設「MLC SPACE LAB」が稼働し、新たな人の流れが生まれています。
3. 地域経済への貢献
ロケット打ち上げ実証では、地元企業約30社とのサプライチェーンが構築されました。また、実証事業の受け入れによりのべ440泊の宿泊需要が生まれるなど、かつての賑わいとは異なる形ではありますが、再びこの地に活気が戻りつつあります。
4. 次世代への希望
地元の子供たちがロケットに夢中になる姿は、地域の新たな光です。過去を忘れず、未来を志す人材育成にも力を注いでいます。
■ 代表理事コメント
代表理事 但野 謙介(地域を代表して)
「この場所には、震災前、多くの暮らしがありました。津波で何もかもが流され、泥だらけになって絶望に立ち尽くしたあの日を、私たちは忘れることができません。あれから15年。この土地を宇宙産業の拠点として活かすことで、失われゆく暮らしの記憶を、未来へつなげていきたい一心で取り組んできました。この地を訪れる人も、この地に暮らす人も、空を見上げるたびに、ここにあった日常を思い出してもらえる場所にしたいと考えています。