2024年紅麹事案 研究解説⑪「コカ・コーラが示す食薬区分の本質――危険を制度で管理してブランドを生んだアメリカ、文化を消した日本――」 (3/5ページ)

バリュープレス

米国では法的に決着済みである
▶    2002年前後:欧州・中国等はこの事例を受けて紅麹製品のモナコリンK含量に関する基準・規制を整備した
▶    日本:食薬区分においてモナコリンKの位置付けが明確化されず、「グレーゾーン運用」が継続した。2015年の機能性表示食品制度がこの空白をさらに拡大させた

アメリカが20年前に法的に解決した問題を、日本は2002年の通知があるにもかかわらず、制度的空白のままにした。これが問題の本質である。

4.遠藤章博士の発見が「危険」とされた逆説
スタチン(コレステロール低下薬)の原型を発見したのは、三共製薬(現・第一三共)の遠藤章博士である。博士が1970年代に複数種のカビ(青カビ・黄麹・紅麹)を対象として行った探索研究からコンパクチン(mevastatin)が生まれ、その後プラバスタチン(商品名:メバロチン)が開発・発売された。

▶    青カビ由来のロバスタチン(lovastatin):FDA承認の医薬品として世界中で販売
▶    紅麹由来のモナコリンK(ロバスタチンと同一構造):「危険なサプリメント成分」として事案後に全否定

同じ分子構造が、起源のカビの色によって全く異なる制度的扱いを受けたのである。日本は遠藤博士の発見を礎としたスタチン医薬品の恩恵を世界に広める一方で、同じ科学的知見から生まれた紅麹文化の食薬区分問題を20年以上放置した。科学と文化の両面における自己否定と言わざるを得ない。

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