2024年紅麹事案 九州大学今坂論文への疑義申立——「プベルル酸が同定されている」という前提なき断定への異議—— (3/6ページ)
NIHS開示文書(衛研発第0306002号)の図2自体がこの保持時間の乖離を記録しており、NIHS報告書の本文(「同じ保持時間に同じMSスペクトルを示すピークを認めた」)との自己矛盾が存在する。
すなわち、「A1にPAが含まれる」という行政の断定は、NIHSの開示文書が自己否定するデータを含んでいる。市場回収製品(A16〜A44等)についても、LC/UV(定性のみ)での分析にとどまり、UHPLC/HRMSによる同定は実施されていない。
3 厚労省・NIHSには証明がない——開示文書が語る事実
弊社が情報開示請求によって確認した行政文書は、以下の事実を明示している:
・ 大大保8562号:大阪市保健所が収去(食品衛生法第28条に基づく行政による独立採取)を一切実施していないことを確認。
・ 大大保8639号:大阪市保健所は厚労省・NIHSの試験検体に関与しておらず、検体はすべて小林製薬の自主回収品に由来することを確認。
・ 衛研発第0306002号・衛研発第0926001号:NIHSにPA同定の根拠・因果関係分析・毒性評価に関する文書が存在しないことを確認。
・ 厚生労働省発健生0919第2号:厚労省においても同様に判断根拠文書が存在しないことを確認。
これらの開示文書はすべて弊社サイト(https://kunsei.com)で公開している。
つまり、行政がPAを「原因物質」と断定した際、その検体はすべて小林製薬自身が提供したものであり、独立した行政機関による収去・分析は行われていない。
今坂論文はこの行政の断定を出発点として成り立っているが、その断定自体に証拠的基盤がなければ、論文の科学的前提は崩壊する。