小林製薬紅麹事件研究解説 厚生労働省への情報開示請求により判明225社公表、意思決定の公式記録なし (4/7ページ)

バリュープレス



【確認された事実】
・ プベルル酸の原因物質指定・公表に関する文書:存在しないと回答
・ 企業名公表の意思決定に関する文書:存在しないと回答

【その意味】
これらの結果は、本件における意思決定過程の記録が確認されていない状態であったことを示している。通常、行政機関が企業名を公表する際には決裁文書・協議記録・根拠資料が作成される。通常の行政手続において、企業名公表のような重大な処分を行う場合には、①決裁文書、②協議記録、③根拠となる法令・基準の確認資料、④担当部署間の連絡記録、が最低限作成・保存される。当社が確認した限り、225社規模の企業名公表について、これらの記録が一切確認されなかった事例は把握していない。当社が確認した範囲の食品衛生法および消費者安全法には、原因未確定段階で事業者名を列挙・公表することを明示的に授権する規定は確認されていない。

すなわち、本件は原因未確定の段階で、根拠文書なく企業名公表が行われた可能性を示している。
本件は、行政手続の適正性および説明責任の観点から重大な問題を含む可能性がある。行政手続法上の理由提示義務・説明責任との整合性、および行政の記録主義との整合性が問われる事案である。
なお、根拠文書なき企業名公表によって生じた損害については、国家賠償法第1条(公権力の行使における違法・過失)との関係においても検討の余地がある。また、行政手続法第8条が求める理由提示との整合性も問われる。

■ 企業名公表が生じさせたもの
根拠文書が確認されない公表は、対象企業に対して実質的な社会的制裁として機能した。企業名公表により対象企業は重大な営業上の不利益を受けており、実質において行政処分に相当する。疑いの段階で不利益が生じ、後からの訂正が極めて困難な状況が行政主導で生じた。

・ 紅麹を使用する企業の商品が、小林製薬との因果関係を問わず店頭から一斉に撤去された
・ 取引先からの契約停止・発注停止が相次いだ
・ 「紅麹=危険」という社会的イメージが定着し、現在も払拭されていない

当社(岡山県早島町、代表取締役・薬剤師 森雅昭)においては以下の被害が継続している。
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