医療現場の「見えない負担」を減らすには──人手不足の地域医療でAIが果たす役割 (2/3ページ)

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事務作業をAIで効率化──現場のゆとりを生むための試み

 こうした人手不足の課題に向き合う切り札として、期待を集めているのがAIの活用だ。同法人では、直接的な医療行為そのものではなく、まずは事務や管理といったバックオフィス業務の効率化からデジタルツールの導入を進めている。具体的には、会議の文字起こしや要約、院内の案内文やWeb記事の作成、動画づくりの構成整理などに生成AIを取り入れているという。また、データ整理のデジタル化により、職員の作業負担を減らす取り組みも進めている。

〈AI活用例としてのYouTube画像〉


同法人の説明によれば、これまでは属人的になりやすかった業務を標準化し、組織内でスムーズに情報を共有する上で、これまで多くの時間を要していた間接業務を効率化できる可能性を見出している。

もっとも、生成AIが作成する文章などの正確性にはまだばらつきも見られるため、実際の運用においては、医療従事者による丁寧な確認や、どの業務に導入するかという見極めのルールづくりが前提となる。

便利さと安全性のバランス──情報管理を巡る現場の葛藤

デジタル化が業務を便利にする一方で、医療の現場では技術の導入に対して慎重な声も少なくない。山瀬氏も、患者の命や健康を預かる医療の現場だからこそ、安全性や個人情報の厳格な管理は何よりも最優先されるべきだと話す。医療機関を狙ったサイバー攻撃や、AIの誤利用によるトラブルが報じられる中、現場が警戒感を持つのは自然な流れと言える。

同法人では、業界全体でAI活用の明確なルールや運用体制の構築が途上であることから、現在は安全が十分に確保できる範囲に絞って活用している。ツールに任せる業務と、人間が責任を持つべき業務の境界線を整理すること。それが、これからのデジタル導入における大切なステップとなる。

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