2027年大河『逆賊の幕臣』で北村一輝が演じる“マムシの耀蔵”とは?遠山の金さんも追いやった妖怪の生涯 (4/6ページ)
後ろ盾であった土井利位は報復を恐れて老中を辞任し、三羽ガラスの渋川・後藤に裏切られた鳥居耀蔵は、完全に孤立してしまいました。
水野忠邦は裏切り者の鳥居耀蔵を赦すことなく、弘化2年(1845年)に全財産没収の上、讃岐丸亀藩に身柄を預けられます。人々はこれを嘲笑い、こんな狂句を詠みました。
金毘羅へ いやな鳥居を 奉納し
【句意】讃岐の金刀比羅宮(こんぴらさん。香川県琴平町)へ、嫌な鳥居(耀蔵)を奉納したものだ。
かくして江戸を追われた鳥居耀蔵は、20年以上も軟禁状態に置かれることとなったのです。
人々から慕われた丸亀時代
これまで散々嫌われ続けた鳥居耀蔵ですから、丸亀藩ではここぞとばかりに苛め抜かれました。
嫌がらせや無視などが続き、例えば嘉永5年(1852年)には一年間誰も口を利いてくれなかったことが、鳥居耀蔵の日記に残っています。
あまりにヒマ過ぎた鳥居耀蔵は、趣味と実益を兼ねて庭先で薬草を栽培し、領民たちを治療してあげました。また学識は豊富だったため、丸亀藩士らに伝えたことから、次第に人々から感謝されるようになったそうです。
かつてはマムシだの妖怪だのと呼ばれた幕閣時代とは打って変わって、丸亀時代の鳥居耀蔵は人々から慕われていたと言います。
しかし三つ子の魂なんとやら。頑迷固陋な性格が変わった訳ではなく、明治元年(1868年)10月に恩赦が出た時、鳥居耀蔵はこれを受け入れませんでした。