寝る前30分、スマホを置くと何が変わる? 働く女性に広がる「夜のセルフケア」

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寝る前30分、スマホを置くと何が変わる? 働く女性に広がる「夜のセルフケア」
寝る前30分、スマホを置くと何が変わる? 働く女性に広がる「夜のセルフケア」

仕事や家事、スマートフォンから流れ続ける情報。1日の終わりまで何かに追われ、意識的に何もしない時間をつくることが難しいと感じる人もいる。

こうしたなか、就寝前にスマートフォンから離れ、自分自身と向き合う時間を設けるセルフケアの考え方も広がりつつある。

合同会社マイマイ企画では、就寝前30分を穏やかに過ごす習慣を「なぎかつ(凪活)」と名付け、40代の働く女性を主な対象としたライフスタイルブランド「NOCT(ノクト)」を2026年秋から展開する予定だという。同社代表の小早太氏への取材をもとに、忙しい生活のなかで「何もしない時間」を持つ意味と、それを習慣化する難しさについて考える。

なぜ「何もしない時間」をつくりにくいのか

仕事が終わった後も、メールやSNS、動画などを見続け、気づけば就寝直前までスマートフォンを触っている――。こうした生活スタイルは珍しいものではない。

特に仕事や家事など複数の役割を抱える人にとって、自分のためだけに時間を使うことに後ろめたさを感じるケースもある。

小早氏自身も、以前は大阪で多忙な生活を送り、心身のバランスを崩した経験があるという。その後、移住先の種子島で波のない穏やかな海「凪」に触れたことが、自身の生活を見直すきっかけになったと話す。

小早氏は、「忙しい時ほど、自分がどのような状態なのかを考える時間そのものがなくなっていました。何もしない時間を持つことで、初めて自分を客観的に見られることもあります」と振り返る。

こうした個人的な経験が、「凪」のように静かな時間を日常生活の中に取り入れる「なぎかつ」という発想につながったという。

一方、ある人にとって有効だった方法が、すべての人に同じように当てはまるわけではない。生活環境や働き方は人によって異なり、自分に合った休息の方法を見つける必要がある。

就寝前30分、スマホを置くという提案

同社が2026年秋から展開予定の「NOCT」では、就寝前の30分間、スマートフォンなどから距離を置き、静かに過ごす時間を「なぎかつ」として提案している。10月中旬からは、アロマキャンドルとジャーナリング用ノートを組み合わせた商品の展開も予定しているという。

目的は商品そのものを使うことだけではなく、寝る前に一定の時間を確保し、日中の出来事や自分の気持ちを振り返るきっかけをつくることにある。

ただし、新しい生活習慣を定着させるのは簡単ではない。商品を購入した直後は続けられても、仕事が忙しくなったり生活リズムが変わったりすれば、次第に元の習慣へ戻ってしまうこともある。

特にスマートフォンは、連絡手段だけでなく娯楽や情報収集にも使われているため、「30分触らない」という単純な行動であっても継続には工夫が必要になる。セルフケア商品が、実際の生活習慣の変化までどこまで後押しできるかは、一つの課題といえる。

「休むこと」への罪悪感はなぜ生まれるのか

小早氏が着目するもう一つのテーマが、「何もしない時間」への心理的な抵抗だ。

仕事や家事などで忙しい人ほど、空いた時間にも何か有意義なことをしなければならないと感じやすい。

「休む」「ぼんやりする」といった時間が、生産性のない時間のように捉えられることもある。

しかし、日常生活のすべての時間を効率化する必要があるのかという問いもある。セルフケアというと、美容や運動、食事など「何かをすること」が注目されがちだが、あえて予定を入れず、スマートフォンから離れる時間を確保する考え方もその一つだ。

ただ、こうした時間の過ごし方を「正しい休み方」として押し付ければ、かえって新たな負担になる可能性もある。大切なのは、特定の方法を守ることではなく、自分の生活の中で無理なく気持ちを切り替えられる時間を見つけることだろう。

セルフケアを「商品」で終わらせないために

美容や健康、リラクゼーションをめぐっては、多様な商品やサービスが登場している。そのなかで、アロマやノートなどの商品と「夜の過ごし方」を組み合わせて提案するのが、NOCTの特徴だという。

一方、セルフケア市場では似たコンセプトの商品やサービスも少なくない。利用者が継続的に取り入れられるか、単なる一時的なブームで終わらないかは、商品そのものだけではなく、生活の中にどう取り入れられるかによって左右される。就寝前のスマートフォン利用を減らす、静かな時間を設ける、自分の気持ちを書き出してみる。こうした行動は、特定の商品を使わなくても実践できる。

だからこそ、企業側には商品を販売することだけでなく、利用者が自分に合った形で習慣を続けられるような情報提供も求められる。

忙しい日常のなかで、どのように「余白」をつくるのか。マイマイ企画が提案する「なぎかつ」は、働く人のセルフケアを考える一つの事例として、日常の時間の使い方を見直すきっかけになりそうだ。

【取材協力】
合同会社マイマイ企画
代表 小早 太
https://noct.style/

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