日本人は「なぜ」「いつから」漢字を使うようになった?東アジアの動乱と日本の文字文化のルーツ (3/4ページ)

Japaaan

倭もこの外交関係とは無縁ではありませんでした。南朝の宋には5人の倭王、いわゆる「倭の五王」が朝貢した記録があり、その内容は歴史書の『宋書』に残されています。

その5人のうちの一人が倭王武です。武が南朝の皇帝へ送った上奏文は、完成度の高い漢文で書かれていました。

この事実から、当時の倭に既に漢字を使える人が存在していたことは分かります。

ただし、これだけですぐに、古代日本人が高度な漢文を自由に書けたと考えることはできません。

かつてはこの上奏文を根拠に、古代日本人が早くから優れた漢文能力を持っていたとする見方もありました。しかし現在では、楽浪郡に由来する中国人が代筆したとする説が有力です。

日本への定着

では、漢字はどのように日本へ根づいていったのでしょうか。

史料から分かるのは、当時は朝鮮半島と倭の間で文字や政治、外交に関する知識が頻繁に行き来していたという事実です。

特に重要なのが、楽浪郡にいた中国人でした。彼らは漢字を使う高度な技能を持ち、その知識を百済・新羅・倭へ伝えたと考えられています。

おそらく漢字は、外交や国づくりに必要な知識と一緒に伝わったのでしょう。

さらに589年には、中国でが全土を統一しました。高句麗・百済・新羅が勢力争いを続ける朝鮮半島にとって、中国の再統一は大きな緊張を生む出来事でした。

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