日本人は「なぜ」「いつから」漢字を使うようになった?東アジアの動乱と日本の文字文化のルーツ (1/4ページ)
漢字の伝播
日本人が漢字を使うようになった経緯を知るには、中国だけでなく朝鮮半島の歴史を見る必要があります。
実は日本の文字文化は、東アジアの大きな政治変動とも深く結びついていました。
大きな転機となったのが、紀元前108年の漢による朝鮮支配です。漢の武帝は朝鮮を制圧し、現地に四つの郡を置いて支配しました。
その中でも長く残ったのが楽浪郡です。漢が220年に滅びたあとも楽浪郡は存続し、313年に高句麗によって滅ぼされるまで、朝鮮半島に中国の政治や文化を伝える拠点となっていました。
ここで重要なのが、楽浪郡で働いていた中国人です。彼らは漢代の紀元前1世紀に朝鮮へ移住した人々の子孫で、漢字を読み書きする技術・能力を持っていました。
ところが313年に楽浪郡が滅びると、彼らは新たな生きる場所を求めることになります。
とはいえ中国ではすでに漢が滅んでいました。彼らは朝鮮半島で兵士や農民になるよりも、自分たちの持つ漢字関係の技術・能力を生かす道を選んだようです。
そうして彼らのスキルは朝鮮半島内で百済や新羅へ伝わり、さらに海を越えて倭のヤマト政権にも伝わったと考えられています。
しかも伝わったのは文字だけではありませんでした。