「ご当地コスメ」は事業として続くのか 地域素材×産学官連携の可能性と課題 (1/3ページ)
国内の化粧品市場では、成分や使用感だけでなく、どこで、どのように開発された商品なのかという背景も消費者に伝えられるようになっている。
そうしたなか、地域資源や大学の研究成果を活用した「地域発コスメ」も各地で生まれている。一方で、地域性を打ち出すだけで継続的な事業になるとは限らない。原料の調達や研究開発、販路の確保など、商品化した後にもさまざまな課題がある。
青森県を拠点とする株式会社イチカワ化粧品も、大学や地域との連携を取り入れた商品開発を進めている。同社代表の市川道恵氏に、地域発ブランドを続けるうえでの考え方と課題について聞いた。
地域素材を使うだけでは差別化にならない
地域由来の素材を化粧品に活用する取り組みは珍しくなくなった。農産物や植物、食品加工の副産物などを原料として利用し、商品の特徴として打ち出す事例も増えている。
イチカワ化粧品では、弘前大学が開発に関わった技術によって抽出されたプロテオグリカンを配合した「BLUE WING」ブランドを展開しているという。プロテオグリカンは人体にも存在する成分で、化粧品分野では保湿などを目的とした成分として用いられている。同社では、こうした地域の研究成果を商品開発に取り入れてきた。
また、産学官連携による研究を経て、日焼け止め「カタクリ UV プロテクト」の開発にも取り組んでいる。
市川氏は、単に「青森産」という地域性を訴求するだけではなく、大学などが持つ研究成果と組み合わせることが重要だと話す。
ただし、地域素材を商品化できたとしても、それだけで事業として定着するわけではない。