「何も言えない職場」はなぜ生まれるのか ハラスメント対策と管理職指導の難しさ (1/4ページ)

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「何も言えない職場」はなぜ生まれるのか ハラスメント対策と管理職指導の難しさ
「何も言えない職場」はなぜ生まれるのか ハラスメント対策と管理職指導の難しさ

企業のハラスメント対策が進む一方で、管理職からは「どこまで注意していいのかわからない」「指導がパワハラと受け取られるのが怖い」といった声も聞かれる。

もちろん、ハラスメントを防ぐことは企業にとって重要な責務だ。一方で、必要な指導まで避けるようになれば、部下の育成や業務上のコミュニケーションに支障が出る可能性もある。

厚生労働省は、職場のパワーハラスメントについて、「優越的な関係を背景とした言動」「業務上必要かつ相当な範囲を超えたもの」「就業環境が害されるもの」の3要素をすべて満たすものと定義している。客観的に見て、業務上必要かつ相当な範囲で行われる適正な業務指示や指導は、パワハラには該当しない。

では、企業はハラスメントを防ぎながら、必要な指導をどう維持すればいいのか。ハラスメント防止研修などを手掛ける株式会社ハーモニークリエイション代表の白石恵美子氏に、現場で起きている課題について聞いた。

「注意しない管理職」が増えるのはなぜか

白石氏によれば、企業研修の現場では、管理職が部下への注意や指導に慎重になりすぎるケースがあるという。

「強く言ったらパワハラと思われるのではないか」と考え、注意すべき場面でも言葉を控えたり、本来は部下に任せるべき仕事まで自分で抱えたりするケースが見られると話す。

ハラスメント対策そのものに問題があるわけではない。

むしろ問題なのは、「厳しいことを言えばハラスメントになる」といった極端な理解が広がることで、必要な業務指示まで避けられてしまうことだ。

管理職が注意を控えれば、短期的には摩擦を避けられるかもしれない。しかし、期待される行動や業務上のルールが伝わらなければ、部下側も何を改善すべきかわからない。その結果、問題が放置され、後になって大きなトラブルになる可能性もある。

ハラスメントを防ぐことと、管理職が必要な指導を行うことは、本来対立するものではない。どこまでが適切な指導で、どこからが行き過ぎなのか。その基準を組織として共有する必要がある。

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