なぜ従業員は「本当の退職理由」を語らないのか 見えない不満を拾う外部窓口の役割 (4/4ページ)
コモンズリンクでは、そうした中小企業でも導入できるよう、月額5000円からのプランを設けているという。価格の低さは導入のハードルを下げる一方、重要なのは実際に従業員が使うかどうかだ。
制度だけ用意され、存在を知られていなければ意味がない。
相談方法を定期的に周知し、利用しても不利益を受けないことを伝え、相談後には可能な範囲で改善につなげる。そうした積み重ねがなければ、どのような窓口でも「形だけの制度」になってしまう。
本音を言える会社はつくれるのか社員が会社にすべての本音を話す必要はない。不満があっても自分の中で処理する人もいれば、転職という選択をする人もいる。それ自体は個人の自由だ。
ただ、複数の従業員が同じ理由で悩み、同じ問題から繰り返し退職しているのに、会社側がその理由を把握できていないのであれば、改善することも難しい。外部相談窓口は、その見えない部分を知るための一つの方法になる。
一方で、社員の声を集めるだけでは職場は変わらない。相談しても何も変わらなかったという経験が積み重なれば、次第に誰も相談しなくなる。
「本音を話せる場所」をつくることと、「話したことが無駄にならない会社」をつくることはセットで考える必要がある。
第三者を入れる意味があるとすれば、企業と従業員の間にもう一つの通路をつくり、それまで表に出なかった問題に気づく機会を増やすことにあるのだろう。

【取材協力】
株式会社コモンズリンク
代表取締役 田畑優子
https://sapokita.commonslink.jp/