平安時代「母」の発音は「パパ」「ふぁふぁ」 だった? タイムスリップしても絶対に通じない日本語の謎 (5/6ページ)
でも、その二音節を少しだけ歴史の中に置いてみると、ずいぶんと認識の仕方が変わります。
かつては「p」に近い音があり、その後、唇を使う摩擦音の時代を経て、やがて現在の「h」に近い音になった。途中には「はわ」と呼ばれていた時代もあった。そう考えると、言葉というのは、辞書に載っている形だけが「言葉」ではないのだと思います。
人が口にするたび、少しずつ変わっていく。その変化が積み重なったものが、今の日本語です。だから、私たちが「はは」と発音するとき、その音の奥には、ずっと昔の日本人が使っていた音も眠っています。
昔の日本へタイムスリップして、「こんにちは」と声をかけたらどうなるでしょう。ひょっとすると、こちらの言葉が通じないだけではなく、向こうの言葉も聞き取れないかもしれません。同じ日本語なのに、です。
そう考えると、日本語の歴史は、古い文章を読むだけのものではありません。私たちが毎日しゃべっている「音」そのものが、日本語の歴史なんだということに、改めて気づかされます。