ブラック企業を辞められない…人生諦める前に「離職移行支援」のすすめ

デイリーニュースオンライン

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「その会社、あなたを『使い捨て』にしようとしていませんか?」

 厚生労働省が2014年9月より始めた無料電話相談のリーフレットに書かれたコピーだ。

 長時間労働、残業代未払い……など、いわゆる「ブラック企業」対策に政府も動き始めているようだ。「ブラック企業名を公表する」という方針を発表してはいるものの、現時点ではまだそこまでの動きはない。ネットニュースなどで話題になった「ブラック企業大賞」は、作家や大学教授などで構成される民間有志の「ブラック企業大賞企画委員会」が主催である。2014年で第3回目を迎え、大賞にはヤマダ電機が選ばれた。

 ブラック企業への関心は高まるものの、現場で辛酸をなめる「ブラック社員」はまだまだ多い。NPO法人若者就職支援協会・代表理事の黒沢一樹さん(33歳)は、「まず必要なのは離職移行支援」だと話す。

「そもそも、長時間労働を強いられているブラック社員に、相談電話をする暇はありません。さらに問題なのは、低賃金で働かされているため、転職に踏み切れないんです。要は、貯金がないから、次の仕事を見つけるまでの生活の目途がたたず、会社を辞められない。ブラック社員がブラック企業を作っているとも言えるんです」

 人材派遣会社に勤めるMさん(33歳)は、まさにそんな一人である。

「みなしの残業代を入れても手取り17万円程度です。会社を出るのはいつも22~24時。たまの休みはストレス発散からお酒を飲んだり、パチンコに行ったり。情けないですが、貯金はありません。辞めたくても、辞められないのが現実です」

 黒沢さんはこんなアドバイスをする。

「転職活動をする時間もお金もない。まずはこの問題を解決すべきです。会社を辞めるには会社都合か、自己都合しかありません。ただし、逃げ出すように辞めると自己都合になってしまいます。その場合、3か月程度の支給停止期間があり、結果、転職に踏み切れない理由の一つになっていると考えます」

 ならば、どうすればいいのか。これが黒沢さんの言う「離職移行支援」だと言う。

「労働法も緩和されており、自己都合退職であっても解雇(特定受給資格者)と同じような条件で失業保険の給付が受けられる場合があります。都道府県ごとに判断は異なりますが、通りやすいのは長時間労働です。離職の直前の6か月間に、連続3か月で45時間、いずれか1か月で100時間、または連続する2か月以上の期間の時間外労働が平均1か月で80時間を超える場合、たとえ自己都合と離職票にチェックして離職しても、7日間の待機期間(仕事をしない期間)があれば、求職申込後28日ごとに給付が受けられます」

 その他、セクハラやパワハラでも会社都合の解雇と同様の特定受給資格者として認められるケースもあると言う。法治国家である以上、ブラック社員にももちろん、労働者としての権利はある。この記事を読む時間の余裕がある人は、そもそもブラック企業で働いていないのかもしれないが……。

(取材・文/田沢健二)

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