まんだらけ「顔写真公開騒動」を現役万引きGメンが考察 (2/2ページ)

東京ブレイキングニュース

商店に対して万引きの全件通報を通達してから、その処理に追われて疲弊している警察に、そんな余力はないのである。

 こうした事情から今回のような対応をとった「まんだらけ」は、返還期限ギリギリまで公開の姿勢を崩さなかったが、最終的には顔写真の公開を断念して警察の捜査を見守るとした。確かに、万引きをしたらネット上に写真が公開されるということが常識化されれば、その抑止効果は計り知れない。

 しかし、実際に写真が公開されたことを想像してみれば、大きな不安も感じる。現代版の晒し首は永遠に消えないので、この手法が当たり前になってしまえば、社会から孤立させることにもなりかねないのである。換金目的のプロや窃盗団、常習的な高額万引き犯ならまだしも、魔が差して犯行に至ってしまったような初犯と思しき万引き犯や、少年の画像までもがネットに晒される社会になってはいけないだろう。

 しかし、永年に渡って数多くの万引き事案に携わってきた筆者からすれば、加害者の人権ばかりが尊重される昨今の風潮を打ち破るが如く、行き詰まり感のある万引き防止対策に一石を投じた「まんだらけ」の行動には賛辞を贈りたい。

 被疑者ばかりに有利な法解釈や、引きを扱う警察の対応に数多くの問題があることは紛れない事実であるし、犯行態様も悪質化の一途を辿っているので、より踏み込んだ万引き防止対策が必要な状況にあるのだ。あわよくば、この事件を機に万引き防止についての議論が高まり、万引きを取り巻く悪しき環境が少しでも改善されることを願う。

Written by 伊東ゆう

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