まんだらけ「顔写真公開騒動」を現役万引きGメンが考察 (1/2ページ)
中野ブロードウェイの人気古書店「まんだらけ」の高額万引き犯に対する姿勢が世間で物議を醸した。報道によれば、警察の手に寄らない写真公開を否定する意見と、犯罪者なのだから写真を公開されても仕方ないという意見に世論は分かれているようだ。さらには複数の弁護士が、名誉棄損やプライバシーの侵害にあたる可能性を指摘し、盗み出したモノを返さなければ写真を公開するという文言は恐喝や脅迫行為にあたると危惧していた。
「8月4日17時頃まんだらけ中野店4F変やで25万円の野村トーイ製鉄人28号 No.3 ゼンマイ歩行を盗んだ犯人へ」
「1週間(8月12日)以内に返しに来ない場合は顔写真のモザイクを外して公開します」
ある弁護士などは、たとえ犯人が捕まったとしても、現行犯ではないから罪に問える可能性は少ないとまで言及する始末だ。これでは、うまく盗めば罰せられないということを公言しているようなもので、類似の犯行を増やすことにもつながりかねない。犯罪者を守るべき立場にいる弁護士の立場からすれば当然の理屈なのかもしれないが、窃盗犯を騒動に巻き込まれた被害者の如く仕立てあげて、反撃の知恵を授けるような発言が繰り返されたことには大きな違和感を覚えた。
確かに、仇討ち的な画像公開は自力救済行為に値し、名誉棄損にも値する行為といえよう。だが、逃走中の犯人に報復の仕方を教えることが弁護士の役割といえるだろうか。歪んだ人権擁護の意識が、逃げれば勝ちの論理を支え、巧妙な万引きを横行させているように思える。
高額商品を狙う職業的万引き犯は盗品をすぐに換金してしまうので、被害者である「まんだらけ」からすれば証拠写真を公開してでも、ブツを捌かれる前に捕まえたいところだ。
しかし、警察による広報は殺人や強盗などの重大事件に限られているので、たとえ所轄署が公開手配を望んだとしても本部の決済が下りることはない。一度でもそうした対応をとってしまえば、全ての届け出において同じ対応をとらなければならない状況に陥るので、窃盗事案での公開手配を許可する訳にはいかないのだ。