【橋下市長vs在特会】得られたメリットでは桜井氏側の圧勝か (2/3ページ)
その後の技の応酬では、橋下が王者の貫禄を見せて流石の正論を繰り出したものの、上に挙げた初手のミスを挽回するには至らなかった。試合を見た人間の誰もが玄人という訳ではないのだから、細かい技術に詳しくない観客の中には、橋下が桜井に押されたと受け取った方もおられるやもしれない。そういう状況を生み出してしまった時点で橋下は王者として失格なのである。自ら進んで桜井と同格に落ちに行ったも同然の大失態だ。
これについては過去に好例がある。皆さんはUインター・高田と、新日本プロレス・武藤の戦績を正確に把握しているだろうか? おそらく「高田は武藤に足四の字でギブアップ負けした」とだけ覚えておられるのではなかろうか?
しかし実際は、初戦である 95年10.09東京ドーム『激突!!新日本プロレス対UWFインターナショナル全面戦争』では、皆さんの記憶通り武藤が高田を足4の字固めで破っているのだが、その3ヶ月後の96年1.04東京ドーム『WRESTLING WORLD in闘強導夢』で高田が腕ひしぎ逆十字固めで武藤にリベンジを果たし、IWGP王座も戴冠している。本来ならば、ベルトまで奪ったのだから高田の方が評価を上げてもおかしくない。 ところが、実際は逆だったのである。
高田は海千山千の新日との交渉でやり込められ、最初に負けて次でリベンジ+新王者という条件を呑んでしまった。これによって「実際は武藤相手に1-1の結果になった=同格の関係を維持した」にもかかわらず、初戦での敗北のインパクトが強すぎ、人々の脳に「武藤に四の字で負けた高田」とだけインプットされてしまったのである。
今回の10.20橋下vs桜井戦も同様のことが言え、試合序盤の橋下のミスが尾を引き、「橋下と桜井は同じようなレベル」だと思われてしまった。これでは後からいくら正論で桜井を押し込んでも正当な評価は得られないだろう。
さらに、桜井は報道のカメラに映り込むように自著を置いていた。本当ならば、橋下側は試合開始前のレフェリーチェックの段階で、これだけは止めるべきだっただろう。これを怠り、みすみすNHKに桜井の自著が大写しになるという失態を招いた責任は大きい。王者の地位におごった橋下側の痛恨のミスだと言えよう。