現代を「アイヌ」として生きる、2人の男女が語ること (2/2ページ)

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農業を営む鍋澤さんは、アイヌの人たちが多く住む平取町でもアイヌ語を生活の中で身に着けた最後の世代。話を聞かせてほしいというと、アイヌ語で冗談を交えながら自分がアイヌ語を話せるわけを説明してくれました。

アイヌ語には文字がありません。鍋澤さんは、鍋澤さんが19歳まで存命だった祖母たちの会話を聞いているうちに言葉を覚えたのだといいます。

ただ、人前でアイヌ語を披露するようになったのは70歳をすぎてからのこと。それまではためらいがあったといいます。なぜなら差別や圧迫があったからです。だからあえてアイヌ語を話す必要はないと思っていたと。

しかし今は、自分が知っていることを多くの人に伝えたいと言葉の伝承について本当に悩んでいるといいます。自分のアイヌ語は辞書にない生きた言葉、しかし今の人たちは辞書のアイヌ語を学んでいるからです。生きたアイヌ語は幻に消えてしまうのかなと生きたアイヌ語の将来を案ずる鍋澤さん。言葉は民族の証しだからです。

現在でも自分はアイヌだといえない人は多くいるそうで、今なおそこには見えない差別があるといいます。そういった環境の中、アイヌ民族かどうかというのは、アイヌ民族として生きるかどうかということなのだと。つまり生き方に誇りを持てるかどうかだということを問いかけているともいえるのではないでしょうか。(ライター:北海道saki)

阿寒湖アイヌコタン(jetaloneさん撮影、Flickrより)

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