はるしにゃんの幾原邦彦論 Vol.2 ウテナと革命の精神分析にゃん (2/6ページ)

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分析心理学とは、精神分析の祖であるフロイトの弟子であったカール・グスタフ・ユングが創始した学問。簡単に言うと、人間には、個人的な無意識のみならず元型と呼ばれる普遍的イメージの倉庫のような普遍的無意識(集合的無意識)があると想定するものである。またその分析が求める最終的な過程が「個性化」、すなわち一種の自己実現である。

また、サブカルチャー史的には、ヘッセは日本において、24年組と呼ばれる竹宮惠子や萩尾望都といった少女漫画家に多大な影響を与え、彼女らがのちに「ショタ(少年愛もの)」や「BL(ボーイズ・ラブ)」と命名されるジャンルを準備したとされる。

さて、作中で、決闘を仕組んだ黒幕である「世界の果て」から届いた手紙によれば、この決闘ゲームの勝者は、姫宮アンシーを手に入れるとともに、何らかの形で「永遠」なるものを手に入れることができるという。

つまり、この物語は、「永遠」という、「幻想」にも似た、あるいは多くの場合幻想でしかないものを「欲望」することによって駆動する物語だ。

各人がそれぞれの思惑による欲望を胸にバトルを行い、それに勝ち抜いた者だけが何かを獲得する。これは、評論家・宇野常寛が、生き残りを賭けて各人の正義がぶつかる『DEATH NOTE』などに象徴的な「バトルロワイヤル系」と呼んだ潮流の先駆かもしれない。



ウテナにおける「転覆性」の問題
また、『ウテナ』は、「バトルロワイヤル系」が生まれるきっかけとなったとされている、カウンターの対象である「セカイ系」と見られることも多い。

改めて定義するなら、「セカイ系」とは、しばしば主人公とヒロイン、つまり「キミとボク」という個人的な関係性が、世界全体の問題──世界の救済や破滅と直結する作品群である。そこには、本来描かれるべき社会というものは存在しない。

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