戦後60年、いまだ沖縄本島南部に残る「ガマの遺骨」 (2/2ページ)
出口近くまで戻ってみると、何か置かれていることに気がついた。それは、泥だらけの瀬戸物の破片であった。その横に何か置かれているので、何気なく視線を移した。するとそこには臼歯が3つついた立派な下顎の骨が置かれているではないか。びっくりして思わず息をのんだ。
後で、ひめゆり平和祈念資料館に訊ねたところ、次のように答えてくれた。
「1カ月前にその骨はありませんでした。おそらく、個人で遺骨収集している人が掘り出したものでしょう」
戦争に負けた日本がその後、アメリカの核の傘の下で高度成長したことをこの顎の骨の持ち主は知るはずがない。月並みな言葉かも知れないが、まだ戦争は終わっていないという思いを抱いた。安倍首相は、こうした事実を受け止めた上で、基地の開発を進めようとしているのだろうか。
Written Photo by 西牟田靖