歌舞伎町のぼったくり被害が激化…オリンピック規制前に荒稼ぎ狙い (2/2ページ)
「ぼったくり防止条例」はザル状態
東京や大阪をはじめとした自治体には「ぼったくり防止条例」が存在する。同条例は「料金等の表示義務」「不当な勧誘等の禁止」「不当な取立ての禁止」が規定されているが、なぜ警察が条例を使って取り締まることができないのか。
これは同条例が「ザル法」化していることが原因。「料金等の表示義務」は後からコッソリと料金表を出したりといった手段でいくらでもすり抜けが可能だ。最初に説明された料金と違うという問題も、キャッチは店に入る前に姿を消してしまうため、店側がキャッチと無関係と主張してしまえば覆すのが難しい。これは同時に「不当な勧誘等の禁止」も形骸化させてしまう。
「不当な取り立ての禁止」は脅迫的な取り立てを禁じるものだが、これは店側が一見丁寧な言葉遣いで請求すれば該当しなくなってしまう。また、もし乱暴な言動があっても「言った、言わない」の水掛け論になり、不当な取り立てを証明するのは難しい。
法外な請求をしている時点で犯罪のようにも思えるが、店は値段を自由に決めていいのだから何をもって「法外」とするかの判断は警察にはできないのだ。
「キャッチは100%ぼったくり」と思え
となると、ぼったくり被害は泣き寝入りするしかないように思えるが撃退は不可能ではない。
「身分を明かした上で自分が適正だと思う金額を支払い、『不服があるなら訴訟を起こしてほしい』と言い残して帰ってしまう手がある。ぼったくり店は当然ながら後ろ暗いことがある商売。訴訟はリスクが高いため、裁判に持ち込まれることはほとんどない。裁判になったとしても、司法は警察と違って相場を鑑みてくれますから不当請求が認められるだけ。ただ、身分を明かすリスクがあるので最善策とは言い切れませんが……」(前同)
帰ると言いだせば店員側の暴力が心配だが、交番まで来ていれば警察官の目前で暴行されることはない。交番の前からタクシーに乗り込めば成功だ。それを店員側が強引に止めるようなら「強要罪」などに当たり、警察を動かすことも可能になるかもしれない。
だが、ぼったくりする側にも立場がある。せっかくのカモを逃せば上役に怒られるのだから彼らも必死だ。客側にしてみれば、逆恨みで何をされるか分からないという恐怖もある。
「請求額のすべては払わなくとも、相手の顔が立つ金額を渡すのが上策。ぼったくりの連中も手ぶらでは帰れませんが、3分の1から4分の1程度の金額で交渉すれば妥協してくることがある。夜の街の勉強代と考えれば諦めのつく金額でしょう。その交渉が上手くできる自信がないなら弁護士を呼ぶのもいい」(前同)
新宿だけでなく、ほかの繁華街でも被害は拡大している。
そもそも被害に遭わないためには「キャッチについていかない」が鉄則。優良店は客引きを使う必要がないため、キャッチは100%ぼったくりといっても過言ではない。客引き行為自体も条例で禁止されているものだ。これから歌舞伎町はより注目度が高まっていく場所だが、高い勉強代を払わないように自衛しよう。
(取材・文/佐藤勇馬 Photo by Kakidai via Wikimedia Commons)