吉田豪インタビュー企画:爆笑問題・太田光「炎上してるよって言われるまで炎上には気づかない」(4) (1/4ページ)

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吉田豪インタビュー企画:爆笑問題・太田光「炎上してるよって言われるまで炎上には気づかない」(4)

 日本最強のプロインタビュアー吉田豪が注目の人物にじっくり話を聞くロングインタビューも、ついに今回が最終回。当初は3回でお届けする予定が、あまりの濃い内容に”延長戦”へと突入! 相方・田中裕二さんとの関係、太田さんの“炎上”エピソード、そして奥様・太田光代さんとの夫婦問題までたっぷりと話しを聞いた![前回はこちら]

田中には、いつも俺のほうが気をつかっている

──太田さんと田中さんはいつも仲いいですよね。ラジオでもよくケンカはしてますけど。

太田 そうね。漫才コンビも一概には言えないから、自分たちのことしかわかんないんですよ。ウチはだから……俺としては、いつも俺が引いてるんだと思ってるけどね。

──あ、そうなんですか?

太田 この前もDVD(毎年恒例、『爆笑問題のツーショット』)の収録をしたんだけど、ずっとネタ作りの期間があって。要はいちいち言ってたらキリがないから、あいつがキレるから言わないでおこうっていうのがホントにいっぱいあるんですよ。ホントは逐一、「いやおまえ、いまのツッコミはさ」とか言いたいんだけど、それでいいやっていう。「わかるよね? だって、いままでやってきたんだからさ」みたいな話から始めるとネタ作りが間に合わないから。

──そんな気遣いをしてたんですか?

太田 すっごいしてる。

──じゃあラジオでは、今日は怒らせてもいいかなって感じであえて踏み込んでるわけですかね?

太田 逆にラジオだから言うんですよ。公の場じゃないところで言い始めると本当のケンカになっちゃうから。客がいるところだと、それを「こんなとこでダメ出しすんなよっていうネタですよ」っていうことなるし、そうしながら本気のダメ出しをするっていう。

──実際、ラジオでガチで空気が悪くなることも多々あるじゃないですか。

太田 そうそう。だからこの前も、何年も言おうと思ってて言えなかったことをあえて言ったんだけど。今度のDVD用の漫才は最初に作ったとき、1時間40分ぐらいあったんですよ。そうすると、1ヶ月前に作ったネタとかを最後にもう1回全部やっていくわけ。そのときにあいつはメモを読みながら、このネタはこうっていうのをセリフにして言うの。それは十何年前に「おまえ、それ俺に伝えるときにセリフにしないでくれる?」って言ったことがあるんですよ。

──ネタはそのまま読んでくれってことですね。

太田 というのは、あいつがやるとヘタクソだから、俺も引っ張られちゃう。あいつのセリフ回しが入ってきちゃうと、どう言ってたか思い出せなくなっちゃうから。それを十何年前に1回注意したんだけど、いつの間にか忘れてて、ここ何年かずっとそれがストレスだったの。それを、こないだラジオで「おまえさ、覚えてる?」みたいな話で言って、そこから直ったんだよね。でも、それはラジオじゃないと言えないんだよ(笑)。言うと絶対揉めるから。

──基本、太田さんが田中さんにキツいちょっかいをかけて、田中さんが怒りながらも許してあげてるイメージでしたけど、必ずしもそうじゃないわけですね。気を遣って言わないようにしてることも多々ある。

太田 そうそう、言わないようにしてる。言うときはよっぽどのこと。俺のムシャクシャもあるんだろうけど、「もういいや、行くとこまで行ってやれ」ってときは言う。そうするとたいてい3時間ぐらいにはなるね。結局は俺が説き伏せるんだけど、あいつの怒りはそこじゃなくて「いまの話はわかった。でも最初のあの言い方は何?」みたいなことだから、「あ、それは俺が悪かった」って感じで。

──そこはとりあえず折れる。

太田 あいつが気にしてるのはそこだけだから(笑)。ネタ作りのときに俺がそのことに踏み込んだ場合、だいたいネタ作りって前日にやってるから、その3時間を無駄にするのはしんどすぎるわけ。で、3時間経って説き伏せたら、そこからまた始めなきゃいけないし、さすがにあのストレスはもう……。若い頃はそれでもやってたけど、いまは面倒くさいからね。で、お互い歳とってるし、そうするともう柔軟性もなくなってるから(笑)。

──どっちも頑なになっちゃって(笑)。

太田 うん。逆にキッドなんかはそうやってちょっと離れたりしたほうがうまくいくっていうのがあるんだろうね、きっと。

──これは博士にも通じる話で、最近ボクが提唱してる説なんですけど、深夜ラジオをやってる芸人さんは子供がいない人じゃないと長続きしないんじゃないかと思ってて。子供ができることによってリスナーと話題がズレたり、子供が聞いたらマズいってことで話題がソフトになったり、生活がどうしても家庭中心にならざるを得なくなったりもするだろうし。

太田 ああ、なるほどね。

──伊集院さん、爆笑問題っていうのは特に顕著な例で、ナイナイがひとりになったのもそういうことなのかなっていう。

太田 ああ……そうなのかな。子供がいたことないからわかんないけど、たしかに博士は子供できてからずいぶん変わったよね。

──モードが変わりましたよね。玉さんはお子さんが成人したことでモードがまた戻ってきた感じもあって。

太田 それを考えると、さんまさんはすごいね。

──そこなんですよ!

太田 あ、離婚してるからかな?

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