【本当にあった話】女性上司がノックもせずに脱衣室に入り、全裸の男性に話しかけたら逆セクハラ認定? (1/2ページ)
世間一般では「男性から女性」に対する行為をセクハラ、「女性から男性」であれば逆セクハラと認識されているだろう。
しかし、1986年に施行された男女雇用機会均等法により、セクハラは「男性から女性・女性から男性・同性から同性」への行為、全てを該当すると定めたのである。つまり逆セクハラという言葉は、実は通常のセクハラと全く変わりがないということになる。
しかしここで、一つの疑問が生じないだろうか。それは、逆セクハラも、セクハラと変わりがないならば、セクハラ裁判と逆セクハラ裁判の判決も似たような結果となるのかどうかである。
この問題について、武蔵浦和法律事務所代表の峯岸孝浩弁護士に伺った。
■セクハラ裁判も、逆セクハラ裁判も、理論上は同じ裁判結果になるはず
早速であるが、逆セクハラで訴える場合、過去女性が起こしてきた通常のセクハラ裁判と同じような結果となるのだろうか。
「セクハラには男性から女性に対する行為だけでなく、女性から男性に対する行為も含まれますので、理論的には同じような裁判結果になるはずです」(峯岸孝浩弁護士)
「しかしながら、逆セクハラの裁判の事例が少ないので私見になってしまいますが、通常のセクハラのケース(男性から女性)に比べると、逆セクハラの場合は立証の難易度や慰謝料の額に影響が出るのではないかと考えます」(峯岸孝浩弁護士)
理論上は同じになるはずが、実際は違うだろうと峯岸孝浩弁護士は言う。
■女性上司がノックもせずに脱衣室の全裸の男性に話しかけても逆セクハラとは認定されなかった
「大阪高等裁判所平成17年6月7日判決の事例を紹介します。これは男性が女性上司から逆セクハラを受けたことを理由に訴訟を提起した事案です」(峯岸孝浩弁護士)
「具体的には、『女性上司は、男性が職場の浴室に入っていたところにノックをしないで浴室の扉を開けた。その後女性上司は、脱衣室内に入って全裸の男性に話しかけた』という行為が問題になりました。結論としては、裁判所は女性上司の行為は逆セクハラにあたらないと判断しました。