プリズン・ブレイク:まるで映画のような大脱獄劇、その手口とは。
6月6日、最高のセキュリティ・システムを誇るニューヨーク北部、カナダとの国境近くのクリントン刑務所で二人の凶悪犯が脱獄しました。その手口とは、、、。
まんまと脱獄に成功した二人の凶悪犯

出典: CNN
脱獄したのはこの凶悪犯二人。(左)リチャード・マット(48)。上司を拷問のうえ殺害してバラバラに。 25年〜終身刑。 (右)デイヴィッド・スウェット(34)。強盗を働き、保安官助手に15発もの弾丸を浴びせて殺害。保釈なしの終身刑。
これが脱獄の手口

監房の壁は鋼鉄製、それにも関わらず彼らは壁に四角い穴(約50cm✖️70cm)を開けて脱獄を図りました。つまり、工具を使用したのです。

四角く見えるのがそれぞれの独房から空けた穴二つ。キャットウォーク(細い通路、梁)を伝って地上4階から地下まで下りました。

更に、地下のスティーム・パイプに穴を開け、その中を潜って外へ出ました。スティームは5月下旬から止められており、彼らにとってなんら問題はありませんでした。

パイプにはこんな人をおちょくったメモまで残していました。

パイプを伝わって刑務所の壁の外、約122mのマンホールからまんまと脱獄してしまいました。
刑務所の周囲はこのようになっています。

出典: New York Times
受刑者が収監されていたのはcellblock A、手前(下)から2列目の棟、脱出したマンホールは左下の⭕️の地点です。
彼らがどうやって金属のパイプに穴を開けて脱獄したか、ニューヨーク・タイムズが検証実験をしています。(ここをクリックしてください、)

出典: The New York Times: By Isabella Bartolucci, Larry Buchanan and Ford Fessenden
同様の金属パイプに脱出時と同じ大きさの穴を空けるのにどれぐらいの時間を要するか、6種類の工具で試しました。充電式電動グラインダー:2時間、コード式電動グラインダー:1.5時間、ヘヴィーデューティー・グラインダー:2時間、丸のこ(ぎり):50分、電動のこぎり:45分、弓のこ(ぎり):20時間。グラインダーは火花が散り、煙が立ち込め、かなりの騒音が出ます。丸のこでは地下鉄が猛スピードで走るほどの大音量、小型電動のこぎりは最初の穴を空けるのに手間取りますが、一番やりやすいようです。そして、実際使われたとされる人目につかずにできる弓のこ、これは20時間もかかります。
どうやって工具を手に入れたのでしょう?実は内部に手引きした人間がいました。

脱獄の補助をしたのは刑務所内のテイラー・ショップで管理者として働いていたジョイス・ミッチェル(51)でした。彼女は弓ノコの刃やノミ、パンチやドライヴァーを食材の肉の中に隠し入れて渡したのです。二人は態度が良いとされ、Honor Blockと呼ばれる比較的監視のゆるい独居房(脱獄発覚後、Honor Blockは閉鎖)に隣同士で入っており、彼らは自炊できる環境にありました。実際に食事を渡した看守、ジーン・パーマーも、そのことに気がつかなかったと主張しています。ただ規則では囚人に渡すものは金属探知機を通す決まりだそうですが、その手順に従っていなかったのは確かなようです。

出典: New York Times
ミッチェルは第1級の密輸・禁制、第4級の犯罪幇助の罪に問われています。有罪判決が出れば7〜8年の懲役に課せられることになるようです。また、今後新たな罪状が加わるかもしれません。
ジョイスの夫、ライル・ミッチェルが沈黙を破ってインタヴューに応えました。

出典: NBC
一時、ジョイスの夫、ライル・ミッチェルも彼も標的になっていたと言います。R.マットはジョイスにライルを気絶させるよう錠剤を渡したそうです。そして、ジョイスに自分たちをピックアップさせようとしました。ジョイスはそれは拒否しました。 ライルは混乱しながらもこうも応えています、『ジョイスは脱獄幇助を認めはしたのものの、彼らのどちらかとの”親密”な関係は否定している。リチャード・マットがジョイスを誘惑(キス)しようとしたことがあったのは確かだが、彼女は一線を越えることはなかった。そのことは信じている。』『彼女をまだ愛しているかって? "YES"。彼女に腹を立てているかって?”YES”。なんでこんなことができるんだ。なんで私たちの子供にこんな仕打ちができるんだ・・・。』ライルは今後、どのように対応するかはまだ決めあぐねているようです。
大捜査網を潜って脱獄囚はいまだ逃亡中。

出典: Daily Mail
州警察は800〜1,000人体制で捜索を続けられています。

出典: IB TImes


出典: ABC

出典: CBC
逃亡途中で立ち寄ったキャビンに彼らのDNA痕跡や履いていたブーツが見つかった等の報道はありますが、依然、居場所はわかりません。

最新情報では、24日、新たに看守ジーン・パーマー(57)が逮捕されました。

出典: ABC
ジーン・パーマー(右から二人目)は、マットの趣味である絵画と交換にドライヴァーやレンチといったツールを渡した嫌疑がかけられています。彼の自宅には二人の脱走後に破壊したと思われるマットの絵画が見つかりました。

出典: WTVC News Channel 9 (ABC系列)
R. マットが描いた絵の一部
アメリカ中が事件の進展を見守っています。

出典: The New York Times
脱獄から20日経ちましたが、逃亡中の二人は未だに発見されていません。周囲の住民は戦々恐々としています。