25年後には水道料金が3倍に!? 水問題の現状とは (4/4ページ)
東京は遠くのダムから水を集め、莫大なエネルギーをつかって「おいしい水」をつくりますが、その水でジャバーッとトイレを流している(1回10リットル)。だったら雨水を集めてトイレを流したほうがいい、ということです。
――いまのお話は、先ほどの「ゆっくり流す」というお話につながりますか?
橋本:つながります。雨水を有効利用するためには、建物に雨水を貯める装置、地下に浸透させる装置を設置します。豪雨が降ってもすぐに下水管のなかに水が集中しないから、洪水が起きにくくなりますし、あとから植物の水やりに使えます。日中の道路に水をまけば気温を下げることもできます。こうしたことも、健全な水の循環の一助となります。
ただ、根本的に水の循環速度を緩やかにしていくには、気温の上昇をいま以上に大きくしないことです。それは、人間の経済活動の規模を小さくすることを意味します。それを受け入れるには、価値観の変更が必要でしょう。
――経済規模を縮小させずに、どうにかして水問題を解決することはできないのでしょうか? 最近では、海水を淡水化する技術も開発されていると聞きますが。
橋本:いまはまだ莫大なエネルギーを使うという課題があります。世界各地で、石油・石炭エネルギーで海水を淡水化していますが、真水をつくるためにものすごい量の石油・石炭が消費され、温暖化を加速させることになります。
――水とエネルギーとは切っても切れない関係にあるのですね。
橋本:人類が水蒸気や水流によってタービンを回し始めたときから、水とエネルギーの関係が始まりました。その意味では、水力発電も火力発電も原子力発電も、基本的なエネルギーを起こしている部分に関しては、まったく変っていません。
ただ昔とくらべ、消費するエネルギー量は増えるいっぽうです。それによって、人間の生活に負の影響を与えている面もあるわけで、そこを断ち切らなくてはなりません。
(後編へ続く)