1984年グリコ・森永事件 元刑事・北芝健が読み解く「未解決事件現場」後編 (5/9ページ)

日刊大衆

軍隊の訓練か何かを受けた経験のある人物かもしれない」
深層 2 グリコに強い恨みを抱く者の犯行か?

似たような特徴で言うと、ハウス脅迫の際、不審車両が狭い道をすり抜けて滋賀県警のパトカーを振り切ったのも然り。相当な運転技術と土地勘のある人物がいたことも想像できる。
「頭脳のある人間もいます。挑戦状や脅迫状の機知に富んだ文面は、かなり文才のある人物だと想像できます。また、あのコンビニで防犯ビデオに映った男の仕草。あれは、学者や医師、教師などの仕草に似ているんですよね」

北芝氏が着目したのは、お菓子の棚を覗き込む態度だ。商品を探すために棚を覗く場合、普通なら前屈みになるのが自然だが、
「体をのけ反らせて覗いてるでしょ。あれは、社会的地位の高い、いわゆる"先生"と呼ばれる人間に多く見られる動作なんですよ。もちろん、そうでない社会層にも、こういった動作をする人はいますが、無意識の場合に現れる心的姿勢と言えます」

さらには、脅迫電話の子供の声。これは犯人グループに未成年がいたという確証でもある。
「子供なんて、口止めできないでしょ、普通。つまり、相当密接な親子の絆を持つ家族もグループにいた可能性が高い」

そして、もう一つ驚くべき推測も成り立つ。
「警察無線の傍受もそうですけど、実は、犯人が現金の受け渡し場所に指定したのは、どこも無線が未整備の地区だったんです。それに、県を跨った犯行が多い。犯人は県警ごとの連携ができないのをわかっていたんじゃないか。特に、ハウスのときは滋賀に行ってますよね。合同捜査本部で最も発言力の弱い滋賀県を選んだ。彼らは、警察内部の構造や力関係をも熟知していた可能性がある」

つまり、警察内の極秘情報を知る人物もいたのではないかと言う。
「事件当時、警察官は徹底的な身辺調査をされていたので、犯人グループの一員が警察官とは考えづらいですが、そんな情報を入手できるための協力者がいた可能性はありますね」

腕力自慢、運転のプロ、インテリ、絆の固い家族、警察内部の事情通……これだけの精鋭が一つのグループだとは、確かに想像しがたい面もある。

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