1984年グリコ・森永事件 元刑事・北芝健が読み解く「未解決事件現場」後編 (6/9ページ)

日刊大衆


「だから、そこには精鋭たちを、ごく短期間で結集できる"黒幕"も存在しているはずです。その人物がリーダー格なんでしょう」

そんな精鋭を短期間で集められるネットワークとは、いったい何か!?
ここで、北芝氏は驚くべき情報を口にした。合同捜査本部とは別行動で、極秘裏に動いていた警察の部隊があったというのだ。
「ある秘匿捜査部隊の捜査員たちがアジトを突き止めていたんです。そのアジトの隣の部屋を借りて、しばらく行動確認をしていた。ここまで肉薄していたにもかかわらず、その部隊にも、結局"ゴーサイン"は出なかったんです」

つまり、警察は犯人を絞っていたのだ。しかし、合同捜査本部の方針もそうだったように、この秘匿捜査部隊においても、職質には消極的だった。
その背景には、何があったのだろうか。
「先ほども言ったように、グリコへの配慮があったかもしれませんが、もう一つ、相手がそこまで逮捕に慎重を期さなければいけない組織だということもあったのかもしれない。間違いは決して許されない……まあ、そもそも誤認逮捕は絶対に許されないんですが、しくじったら、それこそ警察の根幹を揺るがすような背景があったと考えられます」

だから、捜査が消極的にならざるを得なかった。捜査に二の足を踏まなければいけない圧力があった?まるで刑事モノのドラマでも観ているようだ。
「犯人グループの中心は、グリコに対して非常なるルサンチマン(怨み)を抱えた集団でしょう。それも、かなり前から。たとえば、グリコの社長が先代の頃から、ずっと不遇を受けてきたんじゃないでしょうか」
深層 3 グリコ以外、森永などはカネ目当て

では、それ以降の脅迫に関しては、何を意味しているのだろうか。
「グリコ以外はカネ目当てですよ。まあ、仮にグリコ脅迫において、噂されている裏取引が成立していたのだとしたらの話ですが、ほかの食品企業でもカネを引っ張れるんじゃないかと考えたのかもしれません。特に、森永は狙いやすかったんでしょう。こちらは"製菓"ではなく、"乳業"の話ですが、ヒ素ミルク事件があったでしょ」

森永ヒ素ミルク事件とは、1955年に起きた食物中毒事件のこと。
「1984年グリコ・森永事件 元刑事・北芝健が読み解く「未解決事件現場」後編」のページです。デイリーニュースオンラインは、社会などの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る