【ガソリンスタンド過疎化問題】電気自動車の板挟みで苦悩する経産省 (2/2ページ)
ガソリンスタンドの廃業に追い打ちをかけたのは、2010年に施行された改正消防法だ。ガソリンスタンドは地下に貯蓄タンクが埋設されているが、改正消防法では埋設してから40年以上経過したタンクには漏洩対策を施さなければならない義務を課した。漏洩対策工事には、2000万円近い費用が伴う。地方都市では、「2000万円出して対策工事をしても引き合わない」という諦観していた経営者が多く、自主廃業を選択した。
地方都市は自動車が生活必需品。それだけに自動車の燃料補給基地でもあるガソリンスタンドは、水道や電気といった生活インフラになっている。また、ガソリンスタンドは自動車の燃料を補給するだけの場でもない。業界紙関係者はこう話す。
「寒冷地では暖房器具やお湯を沸かす燃料もガソリンスタンドが供給しています。また、農業が盛んな地では、トラクターなどの燃料も必要になります。普段はそれほど意識しないが、地方都市にとってガソリンスタンドはなくてはならないものなのです」
地域のガソリンスタンドを死守するため、自治体が税金を投じて経営するスタンドも出てきた。しかし、地方都市は財政が苦しく、そう長く公営スタンドを維持できないだろう。
経済産業省幹部は「地方のガソリンスタンドは生活基盤。電気自動車の普及を進めても、ガソリンスタンド過疎地が増やさないようにしなければならないし、地方都市の生活に支障が出ないような議論をする」と言うが、地方の過疎化は進む一方で“ガソリンスタンド過疎地”解決の糸口は見えない。
(取材・文/小川裕夫)