内田樹『日本の反知性主義』が酷評されまくる理由 (1/2ページ)

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『日本の反知性主義』が話題
『日本の反知性主義』が話題

 やまもといちろうです。それなりに本を読むほうで、最近は世界史に改めて手を出してから移動中の読書量がハンパなく増えた割に、日々の生活での実益があんまりなくなってしまいました。

 ところで、フランス思想で一定方面に著名な京都精華大学の客員教授・内田樹せんせが先日上梓された『日本の反知性主義』が、あまりにも酷いという言説がありまして。

反知性主義3 Part 1: 内田編『日本の反知性主義』は編者のオレ様節が痛々しく浮いた、よじれた本。

 まずは山形浩生せんせの書評に、東京大学准教授の池内恵せんせが呼応する形で罵倒芸が繰り広げられており、これはなんだと思うわけです。

池内 恵 - FACEBOOK

 池内さんといえば、わが国のアラブ研究家の中でも気鋭の論客の一人であり、先日のISIL(というかイスラム国というか)の問題においても、非常に重要な示唆となる内容を踏まえた知識を披露しておられまして、何冊か本を読む中では信頼できる知識人の一人なのではないかなと思います。山形さんも在野の中では翻訳からネット論考まで幅広く活躍してこられた一人であり、最近ではピケティ本の翻訳や関連書籍なども担当しておられるという点で、どちらも日本の第一線級の人材です。

 かたや、内田樹せんせも国内の論壇方面では様々な分野に言及して多くの日本人に刺激を与えてきた人物の一人で、信奉者も数多く、一定の影響力を持っておられる知識人とされています。全部ではないけどそれなりに内田せんせの文章を読んできた私としても、好き嫌いはともかく、抑えておくという感じのポジションであることは間違いありません。

 以前から、池内さんは内田さんの議論を理路整然と馬鹿にしているので興味を持って見てきたのですが、今回はもっと具体的に、本質的なことが指摘されています。以前の論考は、思想家内田樹の「思想」は実は思想でもなんでもない思いつきに過ぎず、その話を聞きにいってありがたがって記事に掲載しているメディアも馬鹿なんじゃねという内容だったのが、今回の『日本の反知性主義』ではさらに踏み込んで論難している姿が印象的です。

池内 恵 - FACEBOOK

 個人的には、この内田せんせと思想家(レーニン研究)で京都精華大学の白井聡さんの共著である『日本戦後史論』があまりにも微妙だったため、この『日本の反知性主義』は見送っていたんですが、ここまで酷評されているということは何か面白いものがあるに違いないということで、買ってみたんですよ。

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