国有地を60年間も不法占拠…”立ち退き危機”の京都の集落を直撃した (1/2ページ)

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京都市北区衣笠開キ町の不法占拠集落(撮影/村田らむ)
京都市北区衣笠開キ町の不法占拠集落(撮影/村田らむ)

 京都市北区衣笠開キ町にある砂防ダム内の、不法占拠集落が立ち退きの危機にあるという。砂防ダムとは、川の土砂を貯めることが目的の設備である。貯水機能はない。普段は小さな渓流が流れていて、その周りは河川敷になっている場合が多い。

■突然の退去勧告に戸惑う住民たち

 実際に現地に足を運んでみる。河川敷にぽつぽつと家が建てられている様子を想像していったのだが、実際には隙間なく家が建てられていた。

 床はコンクリートで固められているし、鉄製の丈夫な橋もかかっている。一時しのぎに作られた集落ではなく、しっかりと、地に足をつけて住んでいる印象を受けた。住み始めて60年以上経っているため、老朽化が進んだ家屋も多い。

 河川管理者の許可のない不法占拠集落だったが、去年から急に管理が厳しくなった。建物には、警告の貼り紙が貼られていた。「河川管理上、支障があるので所有者は平成28年3月25日(金)までに以下へ連絡の上、工作物を撤去し現状に回復してください」

 取材の時にはすでに、期日を過ぎていたが、撤去する気配はなかった。実際に取り壊された建物もあったが、行政代執行だった。

 貼り紙には「ここに建設されていた廃屋は、荒廃が進み増水時に下流へ流出し、災害の原因となるおそれがあるなど、河川管理上、支障があったため京都府が平成28年2月10日に工作物を撤去しました」と書いてあった。数百万円をかけての作業だったという。

「突然の退去勧告に戸惑っている住人が多い。何十年も何も言わなかったのに、いきなり出ていけはひどい。生存権の侵害にあたるのではないか?」

 と語る人もいた。

「東京オリンピックに伴う規制の強化ではないか?」
「韓国や北朝鮮との関係悪化から、主な住人である在日コリアンに圧力をかけている」

 という説もあった。

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