【プロ野球】日本になじみすぎた助っ人独立リーガー、ジョニー・セリスって誰だ? (1/2ページ)
プロ野球も開幕からひと月が経ち、チームの浮沈を担うべく海を越えてやってきた助っ人たちの評価も定まり始めている。
メジャーで実績を残した選手が必ずしも日本で活躍するわけではないのが面白いところ。鳴り物入りで来日しながらその実力を発揮できない選手の多くに共通しているのが、野球以前に日本という土地になじめないことだ。その意味でも、行き先の国になじむというのは、バットやグラブ片手に世界を渡り歩く「野球渡世人」にとって絶対不可欠な姿勢だろう。
今、独立リーグファンの間で、ある外国人選手のフェイスブックに注目が集まっている。
オフシーズンも母国には帰らず住み着いた地元をブラブラしているようで、彼がアップする日常は、夏は海水浴場、冬は焼き鳥屋と、そのなじみっぷりはもはや出稼ぎの助っ人外国人の域を超えている。地元ファンの間ではSNSで彼の巷での発見情報が飛び交っているらしい。
彼の名はジョニー・セリス。地域密着を旗印にするルートインBCリーグの福井ミラクルエレファンツの主砲として今やチーム一の人気を誇っている。
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■「漢字もちょっと書けるんだけどね」
ひらがなで日常を書き込む彼にフェイスブックの話を向けると、驚きの言葉が返ってきた。流暢な日本語は、カタコトをはるかに超え、日本人のあんちゃん相手に話しているような錯覚を起こしてしまう。
来日5年目。日常のコミュニケーションを重ねていくことで覚えた日本語は、オフシーズンに寮を出て借りるアパートは、自分で探すレベルである。「ベネズエラ人はみんなそうだから」と彼は笑う。
「アメリカでプレーした時だって初めはほとんど英語、しゃべれないからね。だんだん覚えていくんだ」
決して豊かでない母国からアメリカンドリームを夢見て海を渡る同胞のほとんどは、マイナーからキャリアを始める。そこに通訳などいるはずがなく、自分で英語をマスターしていかねばならない。現地の言葉を習得しないことが、プレーの場をなくすことであることを彼らベネズエランは本能のように自覚している。
同じBCリーグでプレーする同胞のフランシスコ・カラバイヨ(元オリックス)らとはたまに電話で話したり、遠征時には一緒に食事に行ったりもするという。
「ラミレス(DeNA監督)とも連絡は取ってるよ。カラバイヨなんかも日本語ペラペラだけど、ベネズエランと話すときはもちろんスペイン語だよ」