負の世界遺産・アウシュビッツ強制収容所を訪ねて (4/7ページ)
またノーベル賞も受賞しています。アンモニアを生産する方法であるハーバー・ボッシュ法という名前を聞いた事がある方もいるのではないでしょうか。このハーバー・ボッシュ法という名前は、ハーバー博士の名前から取られています。
しかし、その輝かしい栄光の人生はナチス政権の時代に暗転し、ユダヤ人として迫害を受け、さらに毒ガス兵器をつくったことから国内・国外で職を思うように見つけられる事ができず、パレスチナへ向かう途中のスイス・バーゼルのホテルで息をひきとります。
祖国のため、戦争を早期解決しドイツ人兵士の死亡をできるだけ少なくするためにと、ユダヤ人科学者がつくった毒ガスは、時代が変わり、ユダヤ人の絶滅のために使われたのでした。
ナチス・ドイツは障がい者も「生きる価値のない命」として殺害の対象としていました。
被収容者が持ってきた食器の数々。そこでどのような運命が待ち受けているのか薄々気付いていた人もいましたが、多くの人々はそこで新しい「生活」が待っていると信じていたのです。
被収容者の靴やカバン。ナチス・ドイツは被収容者を安心させるため「自分の持ち物がどれかわかるように」とカバンに名前を書かせました。しかし、被収容者がアウシュビッツに到着するとすぐに所持品は没収され、二度と持ち主のもとに戻ることはありませんでした。