デビュー30年余の小説家に聞く「モチベーションの保ち方」 (1/3ページ)

新刊JP

デビュー30年余の小説家に聞く「モチベーションの保ち方」
デビュー30年余の小説家に聞く「モチベーションの保ち方」

出版業界の最重要人物にフォーカスする『ベストセラーズインタビュー』。第91回目となる今回は、新刊『カタストロフ・マニア』(新潮社刊)が好評の島田雅彦さんが登場してくれました。

太陽フレアによる電源喪失と未知の病のパンデミックによる、人類の「大淘汰」。その裏側には何者かの不気味な意思が……。そこに描かれているのは、私たちにとってあまりにも記憶に新しく、どこか身に覚えのあるディストピアです。

この作品によって島田さんが問いたかったものは何だったのでしょうか?注目のインタビュー後編です。(取材・記事/山田洋介)

■長編執筆中は、テーマについて「オタクになる」 ――30年以上も第一線で小説を発表しつづけている島田さんですが、モチベーションはどのように保っていますか。

島田:長編小説の場合、構想を含めたら出版まで2年はかかります。少なくともその間はずっとその作品のテーマについて考えたり、調べたりするわけですから、まずは飽きないテーマを選ぶことです。

書くこと自体については、モチベーションのあるなしというよりも、自分の精神衛生上必要な作業という気がしています。書かないと病気になると言いますか。

もちろん、書く以上は、人類への微々たる貢献をしたいとは考えています。作品の中で辿り着いた境地とか叡智といったものを、読んでくれる人と共有したいという思いです。

表紙

――長く書き続けるなかで、変えてきた部分と変えずにいる部分がありましたら教えていただきたいです。

島田:無論、テーマは変わります。ある作品を書く間、一時的にそのテーマについての「オタク」になって2年あるいは3年を過ごす。次の作品では別のテーマのオタクになるという感じでやってきました。ただ、テーマについて調べたことや知ったことをどうアウトプットするかという、「書き方」の部分は連続性がありますね。

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