プロレスラー世界遺産 伝説のチャンピオンから未知なる強豪まで── 「輪島大士」あらためて問われるプロレスラー輪島の是非 (1/3ページ)

週刊実話

 大相撲から転身したプロレスラーは多くいるが、中でもダントツの格上的存在が輪島であろう。幕内優勝14回。その身体能力の高さから「天才」「蔵前の星」とも称賛された輪島は、なぜプロレス界の“横綱”になれなかったのか?
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 19世紀末にアメリカマットで活躍し、日本人初のプロレスラーといわれるソラキチ・マツダと、日本にプロレスビジネスを根付かせた力道山。この2人ともが大相撲の出身であり、その意味では日本において、プロレスと大相撲の間に深いかかわりがあることは否定できない。

 では、元力士がプロレス向きなのかというと、これは話が違ってくる。
 誰もが認める大成功を収めた元力士となると、前出の力道山以外では天龍源一郎くらいのもの。大相撲の最高位である元横綱からも東富士、輪島、北尾(双羽黒)、曙の4人がプロレス入りを果たしているが、転向当初の話題性ほどには活躍できていないのが現実だ。
「全日本プロレス伝統の三冠王者にまでなった曙は、一応は成功の部類になるのでしょう。しかし、団体自体にかつての勢いがなく、また曙本人も格闘技に転向した初戦で、ボブ・サップに壮絶KO負けした印象が強いだけに、とても力道山や天龍に並ぶ成功とは言い難い」(スポーツ紙記者)

 その曙に、大相撲時代の成績で上回るのが輪島である。元横綱レスラーが大相撲時代に残した戦績は以下の通り。
40代・東富士 幕内出場31場所 261勝104敗1分1預54休 幕内優勝6回。
54代・輪島 幕内出場62場所 620勝213敗85休 幕内優勝14回。
60代・双羽黒 幕内出場21場所 197勝87敗16休 幕内優勝0回。
64代・曙 幕内出場63場所 566勝198敗181休 幕内優勝11回。

 ライバル北の湖との激闘により一時代を築いた輪島は、大相撲の長い歴史の中でも屈指の存在であるに違いない。にもかかわらずプロレスの世界では成功とならなかったわけだが、その原因はどこにあったのか?
「そもそもプロレスと相撲では、求められる能力が大きく異なる。立ち合いからの瞬発力勝負の相撲に対し、プロレスは時間をかけて観客にアピールしていくことが大切で、スタミナ勝負だとどうしても力士は分が悪い。

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