令和は「お金」が変わる時代 元・財務官僚が語る損しないために知るべき基礎知識 (4/5ページ)

新刊JP

将来的には多様なユーティリティトークンが無数に取引されるマーケットができるのではないかと思っています。

――ここまでのお話をうかがって、現在の電子マネーやポイントなどは、仮想通貨がインフラとして根づくまでの一つのプロセスなのではないかと思えました。仮想通貨を成立させている技術の一つに「ブロックチェーン」がありますが、これは「お金」の世界を離れて様々なビジネス分野で応用されつつあるようです。

松田:そこがすごく大事な点です。ブロックチェーンには「改ざん不可能な電子データ」「スマートコントラクト」「トークン(暗号通貨=仮想通貨)」という三つの面があります。

「改ざんされない電子データ」という面についてはすでによく知られていて、複数の人が同時にデータの真正性(正しさ)を認証できるようになったことで改ざんができなくなったということです。これによって二重使用や偽造の問題が発生することなく、インターネットで送れるようになったということで誕生したのが、最初の仮想通貨であるビットコインでした。

しかし、ブロックチェーンの特性はそれだけではありません。二つ目の「スマートコントラクト」はブロックチェーンに様々な契約や手続きを内装する技術です。ブロックチェーンの世界で今後、最も大きなイノベーションをどんどん起こすのは、この技術でしょうね。

三つめが「トークン」で、要するに仮想通貨と考えていただいてよいものですが、たとえばブロックチェーンを地方自治体が取り入れて独自の仮想通貨を発行することで、住民税などの納税手続きや、いろいろな手数料や公共料金などに関する支払い手続きが、ワンストップでできるようになります。重要なのは、従来は、医療なら医療、年金なら年金といったようにさまざまな社会のシステムが縦割りで、それぞれのシステムに応じてデータも個別に構築されてきました。それが今度は、各システムではなく、データが主役になる。データと特定のロジックが結びつくことで、各システムに横串を入れた横断的な処理がなされることになります。これによって、従来では考えられなかった効率性と、ユーザー側での利便性が実現できることになります。

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